北海道上川郡東川町で開催の写真展「volcanic land」に合わせて制作したZINE。
大雪山系旭岳で出合った景色を収めています。
写真・デザイン/鈴木優香
サイズ/257×182mm 36P (ソフトカバー)
2024年11月23日 100部発行
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旭岳を歩いたのは秋が終わりを迎えるころ。
地獄谷からは絶え間なく噴気が上がり、山頂に続く道では火山特有の山肌に目を奪われます。
一方で、姿見の池周辺では様々な植物が重なり合い、なだらかな草原がどこまでも広がっています。やや色褪せた、この季節にしか見られない色彩との出合いに気持ちが高まります。少し歩いては立ち止まり、また歩いては立ち止まりを繰り返しながら、最終的にブローニーフィルムを10本、35mmフィルムを4本、撮り終えました。
旭岳には2日続けて足を運びました。1日目は姿見駅から山頂を往復し、最終のロープウェイで一度下山し麓のホテルに宿泊。2日目は裾合平方面へ。
旭岳から次の山へ縦走することも考えましたが、たまには先を急がず、同じエリアを満足のいくまで歩いてみることにしたのです。
目の前に在る景色を真っ直ぐに見つめ、そのひとつひとつを拾い集めるように写真に収めていくこと。そしてその記録は、他の誰でもない自分自身がその瞬間その場所に居たことの証明にもなるということ。それこそが私の喜びであり写真を撮る理由なのだと、改めて感じる山行になりました。